Precious un

楓斗side

ひなが眠ったのを見届けてから、俺は母さんにひなの状況を伝えに一階に降りた。




リビングに入るなり母さんが話しかけてきた。





「楓斗！ひなちゃんは大丈夫なの！？」





かなり焦った様子の母さん。





そういえば母さんはひなのこと大好きだからな…。





小さい時からひなが倒れるとすごく心配してるし。





「とりあえず今は眠ってる。」





「よかった…。ひなちゃんのママには連絡しておいたわよ。明日の夜には帰ってくるみたい。」




「あぁ、分かった。」




「ひなちゃんち、今色々と大変みたいだから楓斗がしっかり助けてあげなさいね。」




ひなにはまだちいさい妹がいて、その子の幼稚園の行事やらピアノの発表会やらでひなの親は最近家を開けることが多いらしい。



そういう時はひなはよくうちに泊まりに来ている。



ひなと妹は年が離れてるから、親もかわいいらしく最近は妹ばかり構っている。




普段のひなの様子をみて、口にはしないが寂しがってることは俺でも分かるくらいだ。




「分かってるよ。」そう一言いって、俺は部屋に戻った。
< 4 / 10 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop