魔法少女!!

…今日は寄り道なんてせずに帰れば良かった。

鞘花「どうしよう遼ちゃん!」

そうすれば巻き込まれなかったのに

遼「ハアハア…んっぐ…今は走るしかない!」

タッタッタッタッタッ
鞘花「っ!」ズザッ

遼「鞘花!」









いやー今日は何見よっかなー!
うーん、有名じゃないの見てみれば?

遼ちゃんが美術品コーナーで見てる間アプリでもして待ってよ

ゾワッ

鞘花「?」

なんだろう、今の感じ…何か嫌な予感がするのは気のせいかな…

鞘花「遼ちゃんどう?」タッタッ

晴香「ん?ああ、見た見た!満足だし行きますか!」
鞘花ちゃんの手には正方形の小さい額縁に入った絵があった

ありがとうございましたー!

遼「いやー遅くなっちゃったねー、金もないし!早く帰ろっか!」
鞘花「忙がないと怒られちゃうよ!」
私達はそう言いながらも雑談して歩いた


遼「鞘花…気付いてる?」
いきなり遼ちゃんが聞いてくる。でも、こんな状況ならおかしくない
鞘花「うん…『もう家に着いててもおかしくない』くらい歩いたよね…」

何分歩いたんだろ、少し疲れてきた。迷った可能性もある、でもだからといってずっと歩き続けたんだ、私達は。

誰とも会わない。いや、会えないのか?おかしい、絶対におかしい。私達は警戒してまた歩き出した。

ァ…

遼「!!」
鞘花「晴香ちゃん今の!」
声が聞こえた!

遼「いこ!」
私達は走って声の聞こえた方向へ向かう。
声が近い。なのに何故だろう、声のする方に向かいたくないのは。

鞘花「すぐそこだね!」
遼「うん!」

そんなことを考えてると、その声の主の所へたどり着いた。でも、その声の主は人じゃない…それじゃなんなのか、答えは着いた時にもう出ている。


バケモノだ


バケモノ「ァヒヒヒヒヒ!!!!…?」
気付かれた。
遼「っ!」
遼ちゃんはまるで何が起きたのか分からなそうだった。私が手を引っ張ってなかったらあのバケモノに殺されていただろう。

バケモノだから?それだけじゃない、バケモノの下には死体があったから。臓器の様な物が出てた。

吐き気が襲ってくる。でも我慢して私も遼ちゃんと並んで走る。
遼「なにあれ!どうなってるのよ!」
鞘花「ハァハァ…多分…夢だと思う。」
遼「は?なにいってんの?!」

走りながらきつそうに遼ちゃんはそう言った。
鞘花「だから、私の見た夢ってこれだと思う!」

辺りは夜だから真っ暗だ。
そして追われている。
夢に似ている。

しかし、ここには夢では出なかった存在がある。
一つ、遼ちゃんという存在。
夢では1人で走っていたから少し心強い。

2つ、バケモノの笑い声。
夢では何かに追われているだけで声は聞こえなかったから何処にバケモノがいるか分かりやすい。

しかし、だからなんだという話だ。ただ遼ちゃんと一緒に走っているだけで立場は何も変わっていない

鞘花「ハアハア…どうしよう遼ちゃん!」
遼ちゃんに聞くが走るのに必死で答えるのも大変そうだった

遼「今は走るしかない!」
そういい私達は走る。そのとき、
鞘花「…っ!」
転んでしまった。
遼「鞘花!」

起き上がろうとする。しかし、起き上がれなかった、なんでって何かが後ろにいるから。やだ、まだ死にたくない…なのに涙も出ない


ドッゴォォン…

…あれ?殺されていない。なら今の音は?その時やっと気づいた。
バケモノに何かがぶつかり吹っ飛んでいたのだ

???「ハハッよく吹き飛ぶぜ…あっ?テメェら一般人か?」
遼「えっ?あ、あいや、その」
鞘花「あの…」

私達と同い年くらいの男の子は刀を持ち街灯の上に立ち話しかけてくる、まるでここは漫画やアニメの世界みたい…なにが起きてるの?現状に頭が追いつかない

???「ふーん…下がってろ、邪魔だからな」
鞘花「え?!あ、はい!」

バケモノ「?ギャヒヒヒ!!!!」バケモノが手下のような奴らの大群を襲わせてくる。しかしそれを男の子は刀で斬っていく

バケモノ「ギャヒヒヒ!」
今度はバケモノから襲ってくる。危ない、そう叫ぼうとすると男の子は平気で躱した

???「そろそろ死んどけっ!」
その瞬間、男の子の持つ刀が太刀ってやつくらいのでかさに…まだでかくなってる?

遼「鞘花!い、今のうちに!鞘花?」
鞘花「で、でか…でかいっ…」
でかくなった刀を男の子は顔を歪めもせず楽々と上に振り上げる
???「死にたくなかったら離れとけよっ!」ゴッー

その瞬間私の体が地面に吹き飛んだ、いや、遼ちゃんに押されていた。
ズガァァァァァァァァ!!
鞘花「うっ!なにっ…この音…!」
バケモノ「ギッ!ァ!!!!」

その音は刀がバケモノを地面ごと斬る音だと気づくのにそう時間は掛からなかった
???「いっちょあがりっと…んで、なんでここにいた?」ギロッ
こちらを睨みつけながら男の子は聞いてきた

遼「あ、いや、その…さっきのは何だったのかな…って、それに貴方の名前も知らなくて…」

???「はぁ?最初の質問は答えても良いけど俺の名前聞かなくても関係ねぇだろ」
遼「でもさ、お礼まだしてないから私達にさせてよ」

鞘花「うん、だから良い…かな?」
???「チッ、教えるわけねーだろ!」

遼「ふーん、まあ助けてくれてありがとう!あ、私は佐倉遼だから!」
鞘花「私は篠崎鞘花だよ、本当にありがとう、助けてくれてなかったら今頃…」

???「いきなり自己紹介してくんなよ…もう合わねえようにしろよ!」
遼「あっ、ちょっと!…行っちゃった、仕方ないし今日は帰ろっか鞘花」

鞘花「そうだね…ってもうこんな時間!」
近くの時計を見るともう針は8を過ぎていた


鞘花「それじゃ、明日の放課後校門前で!」
遼「うん、じゃあね!」
遼ちゃんと別れた後、何事もなく家に着くがその夜私は眠れなかった。

死体を見た時の気持ち悪さ、助けてくれてた男の子、いろいろなことがあり、眠ることが出来なく朝近くまで起きていた。

そういえば、夢は関係あったのだろうか、それに、あのバケモノの下にあった死体はどうなったのだろう…何も分からないまま、気づけば時計は3時を指していた
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