パンプスとスニーカー
「なるほど」
それこそ、よくある話だ。
収益性が低いからと離婚弁護そのものを引き受けるのを嫌がる弁護士も珍しくはないが、たとえ引き受けたとしても離婚回避を目指すのではなく、最初から離婚を前提に推し進める弁護士も少なくはなかった。
すべては効率。
弁護士といえど人間で、仕事である以上、実利を優先しがちなのも致し方ないことであるのが実情だったから。
「まあ、だからってどうってこともないんだけどね。違う弁護士だったからって、両親が離婚しなかったとは限らないし、むしろ、うちの父の頑固親父具合からして、リベラルなお母さんとは元々反りが合わなかったんだろうから、どのみちその時に離婚してなくてもいずれは離婚してたと思う」
しかし、おそらく彼女が弁護士を目指す理由の本当のところは、そこのところに重きがあるのだろう。
「お母さんって」
「うん?」
「今どうしてるのかとかって、ひまは知ってるわけ?」
それこそ、よくある話だ。
収益性が低いからと離婚弁護そのものを引き受けるのを嫌がる弁護士も珍しくはないが、たとえ引き受けたとしても離婚回避を目指すのではなく、最初から離婚を前提に推し進める弁護士も少なくはなかった。
すべては効率。
弁護士といえど人間で、仕事である以上、実利を優先しがちなのも致し方ないことであるのが実情だったから。
「まあ、だからってどうってこともないんだけどね。違う弁護士だったからって、両親が離婚しなかったとは限らないし、むしろ、うちの父の頑固親父具合からして、リベラルなお母さんとは元々反りが合わなかったんだろうから、どのみちその時に離婚してなくてもいずれは離婚してたと思う」
しかし、おそらく彼女が弁護士を目指す理由の本当のところは、そこのところに重きがあるのだろう。
「お母さんって」
「うん?」
「今どうしてるのかとかって、ひまは知ってるわけ?」