パンプスとスニーカー
「ラブラブ」
事情を知らないとはいえ、他人にはそう見えるのか、とあらためて指摘されるとかなり驚かされる。
「正直、武藤ッチにはあまり北条君をおススメしたくないのよ、あたし」
「むらちゃん」
「もしかしたら、あの北条君も武藤ッチには誠実を貫くつもりなのかもしれないけど…。ほら、あたしもね、なんだかんだ言って、高校の頃からあいつのこと知ってるじゃない?」
「藤宮君と幼馴染みなんだもんね」
「そう。壮太と北条君は同じ高校出身。あたしの方は高校が違ったから、壮太ともけっこう疎遠になってたけど、それでも実家は近所だし壮太はああいう性格だしで、幼馴染みだから顔を合わせれば立ち話くらいすることもあったわけ。それに第一、あいつら近隣の学校でもかなり顔が売れてたから、いろいろ噂は聞いてた」
「うん」
今も似たようなものだ。
同じ校内、人気のある男子の噂は女の子たちの間でよく口の端に上るから、本人を知らなくてもその背景が知られていることはよくあることだ。
「ああいうふうに見た目も良くって、お金もある。女の扱いも上手いって男だから、ちょっと付き合ってみるには楽しい相手だとは思う」
「そう、だね」
たしかに武尊や壮太と話すのは楽しい。
それでも親しくなる前の武尊は裏表がありすぎて、ひまりなど鼻も引っ掛けられなかったので、身近に接する機会などなかったけれど、一度腹を割って気が置けない間柄になってみると、彼が見た目だけでなく女性によくもてる要素を備えた男なのがひまりにも容易にわかった。
姉達に揉まれたせいなのか、女の子の気持ちを汲むのが上手いし、女慣れしているから気が利くのだ。
それになにより、甘えるのが上手い。
…見た目クールそうなのにね。
「でもさ、武藤ッチって遊びで誰かと付き合ったりするタイプじゃないよね?」
事情を知らないとはいえ、他人にはそう見えるのか、とあらためて指摘されるとかなり驚かされる。
「正直、武藤ッチにはあまり北条君をおススメしたくないのよ、あたし」
「むらちゃん」
「もしかしたら、あの北条君も武藤ッチには誠実を貫くつもりなのかもしれないけど…。ほら、あたしもね、なんだかんだ言って、高校の頃からあいつのこと知ってるじゃない?」
「藤宮君と幼馴染みなんだもんね」
「そう。壮太と北条君は同じ高校出身。あたしの方は高校が違ったから、壮太ともけっこう疎遠になってたけど、それでも実家は近所だし壮太はああいう性格だしで、幼馴染みだから顔を合わせれば立ち話くらいすることもあったわけ。それに第一、あいつら近隣の学校でもかなり顔が売れてたから、いろいろ噂は聞いてた」
「うん」
今も似たようなものだ。
同じ校内、人気のある男子の噂は女の子たちの間でよく口の端に上るから、本人を知らなくてもその背景が知られていることはよくあることだ。
「ああいうふうに見た目も良くって、お金もある。女の扱いも上手いって男だから、ちょっと付き合ってみるには楽しい相手だとは思う」
「そう、だね」
たしかに武尊や壮太と話すのは楽しい。
それでも親しくなる前の武尊は裏表がありすぎて、ひまりなど鼻も引っ掛けられなかったので、身近に接する機会などなかったけれど、一度腹を割って気が置けない間柄になってみると、彼が見た目だけでなく女性によくもてる要素を備えた男なのがひまりにも容易にわかった。
姉達に揉まれたせいなのか、女の子の気持ちを汲むのが上手いし、女慣れしているから気が利くのだ。
それになにより、甘えるのが上手い。
…見た目クールそうなのにね。
「でもさ、武藤ッチって遊びで誰かと付き合ったりするタイプじゃないよね?」