パンプスとスニーカー
ビクッ。
それほど大きな音ではなかったけれど、それでもざわめいていたカフェテリアが一瞬何事かと静まる程度には、音が響いた。
「ど、どうしたの?」
武尊だった。
両手でテーブルを一叩き。
注目されていることにも素知らぬ顔で椅子から立ち上がって、何事もなかったようにひまりへとニッコリ笑いかけてくる。
「3限なくなったなら、さっさと行こうぜ」
「え?」
「4限の空き時間、バイトに行くまで図書館で俺と勉強する約束してただろ?」
「え?あ…うん、そうだった、かな?」
もちろん、実際にはそんな約束などしていない。
聞かれれば答えはするし、誘われて予定が合えば一緒することもあったが、基本武尊にしてもひまりにしても一日の予定を逐一互いに報告し合っているわけではないのだ。
しなければならない理由もない。
「3限あるから大学のカフェでランチしようってことだったけど、3限ないならわざわざこんなマズイとこで飯食わなくてもいいじゃん。外に出よ?」
それほど大きな音ではなかったけれど、それでもざわめいていたカフェテリアが一瞬何事かと静まる程度には、音が響いた。
「ど、どうしたの?」
武尊だった。
両手でテーブルを一叩き。
注目されていることにも素知らぬ顔で椅子から立ち上がって、何事もなかったようにひまりへとニッコリ笑いかけてくる。
「3限なくなったなら、さっさと行こうぜ」
「え?」
「4限の空き時間、バイトに行くまで図書館で俺と勉強する約束してただろ?」
「え?あ…うん、そうだった、かな?」
もちろん、実際にはそんな約束などしていない。
聞かれれば答えはするし、誘われて予定が合えば一緒することもあったが、基本武尊にしてもひまりにしても一日の予定を逐一互いに報告し合っているわけではないのだ。
しなければならない理由もない。
「3限あるから大学のカフェでランチしようってことだったけど、3限ないならわざわざこんなマズイとこで飯食わなくてもいいじゃん。外に出よ?」