パンプスとスニーカー
呆れた声音に顔を向ければ、やはり同期の松田が声音通りの顔で二人を見下ろしていた。
「お、マツ」
「松田君」
勝手知ったる…で、二人の間、空いてる席に腰を下ろしてしまう。
「珍しいね、マツが昼からだなんて」
「ちょっとヤボ用で実家からだから」
「ああ、埼玉だっけ?」
「……千葉」
松田もひまり同様、大学の近くで一人暮らしをしていたが、実家も通学圏内だ。
「それより、武藤、なんかあったの?」
「え?」
突然問いかけられて、ひまりがキョトンと松田を見返す。
それに顎をしゃくって、あらためてひまりをジロジロと見回しては、わずかに頬を染めているのが中々に挙動不審だった。
少し、ムッとしてもいるようで、ひまりにしてみれば内心、首を傾げてしまう。
何かムッとされることでもしたかと、目で美紀に尋ねれば、ニヤニヤ笑うだけで教えてくれずに松田の察しの良さを褒めた。
「鋭いね、松田」
「今日の講義、それほど資料も多くないやつなのに、昨日と同じくいつものトートバック持ってきてるだろ?」
「…ああ」
本当に鋭い。
…さすが、未来の検事。
ひまりも思わず感心してしまった。
「なんかこうして見ると、服装も昨日のままみたいだし……もしかして、武藤、その、ど、どっか、お、お、お泊りした?」
*****
「お、マツ」
「松田君」
勝手知ったる…で、二人の間、空いてる席に腰を下ろしてしまう。
「珍しいね、マツが昼からだなんて」
「ちょっとヤボ用で実家からだから」
「ああ、埼玉だっけ?」
「……千葉」
松田もひまり同様、大学の近くで一人暮らしをしていたが、実家も通学圏内だ。
「それより、武藤、なんかあったの?」
「え?」
突然問いかけられて、ひまりがキョトンと松田を見返す。
それに顎をしゃくって、あらためてひまりをジロジロと見回しては、わずかに頬を染めているのが中々に挙動不審だった。
少し、ムッとしてもいるようで、ひまりにしてみれば内心、首を傾げてしまう。
何かムッとされることでもしたかと、目で美紀に尋ねれば、ニヤニヤ笑うだけで教えてくれずに松田の察しの良さを褒めた。
「鋭いね、松田」
「今日の講義、それほど資料も多くないやつなのに、昨日と同じくいつものトートバック持ってきてるだろ?」
「…ああ」
本当に鋭い。
…さすが、未来の検事。
ひまりも思わず感心してしまった。
「なんかこうして見ると、服装も昨日のままみたいだし……もしかして、武藤、その、ど、どっか、お、お、お泊りした?」
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