パンプスとスニーカー
 いこ?


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 「…………」

 「…………」

 「…………」




 武尊のスラックスから聞こえる携帯電話の呼び出し音に、二人揃って静止した。


 が、すぐに我に返った武尊が、そのまま顔を傾けキスを続行しようと、一度離れた唇を寄せてくる。




 「ちょ、ちょ、ちょっと、武尊!携帯っ、携帯鳴ってるよ?」

 「…いいよ」

 「で、でも……んっ…、ん……」




 抗議しようと開いた唇に、ヌルリと侵入してきたものの感触にギョッと目を見開く。


 思わず目の前で目を瞑って、彼女とのキスに没頭している武尊の秀麗な美貌に見入ってしまった。


 …え?ええっ?!


 近距離過ぎて、ひまりの目に見えるのはわずかにぴくぴくと震えて見える瞼と、女の人みたいに長くてクルンと巻いた睫毛。


 …あ、カールしてるんだ。


 ついそんなどうでもいいことをひまりが思ってしまったのは、現実逃避だったのかもしれない。


 びっくりしすぎて固まってしまっている彼女の口腔内を這い回り、舌先を探して探ってくる慣れない感触に内心大絶叫。


 …も、もしかして、い、い、今、あたしの口の中にあるっていうか、いるのって。




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