さよならの準備はできている
「その顔、その髪、その制服……6年前の咲弥そのままじゃないか……っ!」

榎田はかなり混乱しているようだった。

「私を、殺しにきたのよね」

私は榎田に問いかける。

「殺していいよ」

6年前から覚悟はできていた。
だって彼は有言実行だもの。

「うわああああ!」

ナイフを私に向け、恐ろしい形相で私に襲いかかってくる。

これで、もう全部終わるんだ。

ーーボタボタッ……

赤黒い血が床に滴り落ちる。

「うっ……」

ナイフは深く刺さったようで、腹部にはナイフが食い込んで、手は血で染まっている。

ナイフが刺さったまま床に倒れた。
< 11 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop