私が君に落ちた日
そんななか、問題用紙が配布され始めた。
回ってきたプリントを後ろに回したその時、 自分の後ろの席の人物が誰か、初めて認識した
そこに座っていたのは、つい最近メガネを外したばかりなのかメガネ焼けの残る男の子。
たしか名前は瀬戸口 蒼真(せとぐち そうま)くん。
中学校が同じで、私の友人の友人。
名前は知ってるけど喋ったことはない。
彼が、プリントを持って後ろを向いたまま動かない私を見上げた。
ふとした瞬間 私と彼の視線が絡む
不思議そうに眉をひそめ始めた彼を見て、ハッとしてプリントを渡す。
『前メガネじゃなかった?コンタクトにしたの?』
そのとき話しかけたのは気まぐれで、
この会話を境に私の高校生活に花咲くなんて、想像もしていなかった。