月の都市のハル
足をもたつかせないように、必死だったのに、これだとさらに大変だ。

前を歩いていた人達をどんどん、追い抜いていった。景色も、だんだんと移り変わっていく。

「------------うわっ!?」

不意に情けない声が出る。足を交差させるときに、絡んでしまいつまずいてしまったのだ。

幸い、転ぶことはなかった。ハルさんは、後ろを振り返って、私の様子を確認すると

「…すまん」

と、聞き取るのがやっとくらいの小さい声でいった。
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