「好き」と「好き」
なーんて思っちゃったり。
家は学校からそんなに遠くないから
すぐに着いてしまった。
いつもなら、奏多はすぐに自分の部屋に入ってしまうから、今日もきっとそうだと思って、
「奏多、今日ありがとうね」
とだけ言い、わたしも自分の部屋に入ろうとした。
しかし、ドアノブにかけようとしていた手を誰かに掴まれた。
まあ、誰かといっても1人しかいないけど。
「……??…え、どーしたの。なんか用あった?」
そう言っても奏多はわたしをずっと見つめるだけ。
必然的にわたしも見つめ返すが、あまりに整った顔に我慢できずに目をそらしてしまった。
お互いの沈黙が続き、もう我慢できないと声を出そうとした
しかし奏多の言葉によってそれは遮られた。
「なあ、美沙は俺のことどう思ってる?」