「好き」と「好き」
始まりの日
「美沙ー、奏多ー。ちょっといい?」
7月のある日の朝。
お母さんに呼ばれてわたしは目が覚めた。
「ええー…。暑いもん、廊下に出たくない」
「何言ってんの!どのみち今日は学校でしょ。早めに起きて損はないから!はい起きた起きた!」
そう言いお母さんはわたしの部屋のクーラーを切った。
「今何時…?…ってまだ6時じゃん…」
早すぎだよお母さん……。
いつも7時起きのわたしに6時起きはキツイよー。
うじうじしながらも、ベッドから這い上がり部屋から出ようとした瞬間、横から
「お前、寝起きの悪さ直せよ」
と、それはそれは憎たらしい言葉が聞こえた。