「好き」と「好き」
いつもなら喧嘩しながらも楽しくご飯食べてるはずなのに。
会話がない食事は初めてで。
奏多をちらっと見ると、奏多もちょうどこっちを見てて視線が一瞬交わった。
慌てて目をそらすけど、なぜそらすのか自分でもよくわからない。
気まずい雰囲気の中、奏多が口を開けた。
「…昨日のこと、全部ウソだから。忘れていいよ」
「え……」
なにを言ってるのか分からず、奏多を見つめると奏多は笑って言った。