月の光に照らされて
その夜…。昼間の人目の付く時間帯を避けて、この闇に溶け込むようにして、二度と戻ってこないことを誓い、その村を発った。



多少、村に向かう人の気配は感知していたが見向きもせず、月の光を見ようと顔を上げると、雲がそれを覆い隠し遮る。その雲は次第に濃くなり、上空では雷の光を輝かせていた。

雨が強く降るのかと、足を急がせ直ぐに着く街に向かう。そこの宿で雨が止むのを仕方なく待ち、眠りに就いたのであった。




次の日も強く降り注ぐ雨に、外に出ることもせず、ただぼーっと窓から外を眺めるだけであった。


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