月の光に照らされて
木の枝で気持ちの良い風を受けながら、暑い太陽の光から逃れるように葉に隠れて眠っている。
耳が嫌にでも敏感に反応し、枝を移動する虫の足音や、遠くで囀る小鳥の鳴き声が睡眠の時間を妨げ、なかなか寝入ることが出来ない。
だが、久々にゆっくりとできるこの時間は重宝しなければならないのだが…。
「やっぱり一度、顔を出すか」
近付くことのできる今のうちに…。
* * *
ラミュルのコーンスープを一口ひとくち味わいながら口を付け、パンを一口サイズにちぎって、朝食を進めていた。
向かいには彼女の父親と母親が座り、彼女が食べ終わるのを見計らって、お見合いの話を始めた。
ヘンリー氏が経営する会社は近々、ある会社に買収されるらしく、その条件がそこの社長の息子の元に嫁ぐことらしい。いわば、富を失わないようにするたむの婚約であろう。だが、その話は一切せず、
近々、その会社の社長と息子がこの地に伺うようで、その時に場を設けるらしい。だが、当の本人は―――
「何で勝手に進めてるのよ!私は絶対そんなことしないからね!!」
「そんなことは許されん。誰のためを思ってやっていると思ってるんだ!」
「誰のため?前もそんなこと言ってフェイを追い出したじゃない!
どうせ…、どうせ私のことを『物』としかみてないんでしょ!」
食卓テーブルに掌を強くたたき付け、怒りをあらわに外に出ていった。
耳が嫌にでも敏感に反応し、枝を移動する虫の足音や、遠くで囀る小鳥の鳴き声が睡眠の時間を妨げ、なかなか寝入ることが出来ない。
だが、久々にゆっくりとできるこの時間は重宝しなければならないのだが…。
「やっぱり一度、顔を出すか」
近付くことのできる今のうちに…。
* * *
ラミュルのコーンスープを一口ひとくち味わいながら口を付け、パンを一口サイズにちぎって、朝食を進めていた。
向かいには彼女の父親と母親が座り、彼女が食べ終わるのを見計らって、お見合いの話を始めた。
ヘンリー氏が経営する会社は近々、ある会社に買収されるらしく、その条件がそこの社長の息子の元に嫁ぐことらしい。いわば、富を失わないようにするたむの婚約であろう。だが、その話は一切せず、
近々、その会社の社長と息子がこの地に伺うようで、その時に場を設けるらしい。だが、当の本人は―――
「何で勝手に進めてるのよ!私は絶対そんなことしないからね!!」
「そんなことは許されん。誰のためを思ってやっていると思ってるんだ!」
「誰のため?前もそんなこと言ってフェイを追い出したじゃない!
どうせ…、どうせ私のことを『物』としかみてないんでしょ!」
食卓テーブルに掌を強くたたき付け、怒りをあらわに外に出ていった。