奥さんの身柄、確保!
「これ、間違いなくストーカーですよ」

「エエエエエ!うっそー!」

「普通、気がつくでしょ。今日の警官もおそらくソイツ。
 きっと鈍感な奥さんのアトを付けて家の場所も知ったんだ。
 貴女、あんまりポヤッとしてるから、奴はどんどん行動をエスカレートさせている。……これは危険かもしれない」

 言われてみれば。

「何だか変なシツモンばっかりされたような気がする…」

「例えば?」
 私はボソボソと彼に説明した。


「アホかーーー‼」

「ヒイッ、怒らないでっ」

「警察がそんな事聞く訳きゃないでしょーが‼
 一人暮らし、家財道具の位置、全部知られて……まさかまだ何かやらかしてないでしょうね?」

 ジトッと疑いの眼差しが私に向けられている。

 そのコトバに、私の目前は真っ暗になった。

「柿田サンどうしよう……私」

 あからさまにどんよりとした私を見て、彼がギクリとのけ反った。


「家のカギ、渡しちゃった」



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