奥さんの身柄、確保!
ってなわけで、独り寂しく

「やっぱり女の子の1人暮らしって、キケンよね、ウン」

 などと護身用のホウキ相手に語りかけていた時だ。

 ♪ヒンポーン♪

ドアホンの音が家内に響いた。

「来た来た!」

インターホンのモニターを確認し、待ってましたとばかりに玄関を開ける。

「…すみません、奥さん。…昨日ここいらで下着の盗難があったと…」

「ああ、分かってマス、分かってマス。さっきのオマワリさんですね?
 ささっ、どうぞどうぞ」

「は、はあ…」

 電話の快活なイメージとは違い、大人しそうなオマワリさんだった。マスクをしているためだろうか、声が小さく聞き取り辛い。

 彼は、キョロキョロと辺りを見回しながら、私の後をついてきた。
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