奥さんの身柄、確保!
 家に上がるとすぐに、彼は事情聴取を始めた。

「ええ…ここに干してあったんです、お気に入りばっかり、2枚とも」

「…ほう…何故お気に入りだったんです?」

 目深に被った制帽の下で、彼の目がキラリと光る。

「ヤダなぁ、さっき電話で言ったじゃないですか…旦那様との思い出だって。2度も言わせないで下さいョ」 

「思い出?…ということは、ご主人は…」
「…亡くなりました。急死だったの…
 知らない?警察官だったのよ?」

「ほ、本官は生憎…で、そ、それはどのような思い出だったんです?」

「え…そ、そんな事まで言うんですか?」

「大切な事です!」
「は、はあ…そりゃあ…」

 気弱に見えてもやはりそこは警察官、きっと何か重要なポイントなのだろう。

 思い直し、しどろもどろに私は話す。


「…成程。その時アナタは、どんな様子でしたか?」
「はああ?そんな事まで言うんですかあ?」

「勿論です!」
「……あの…だから…ここがこうなって…」
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