奥さんの身柄、確保!
 和室の客間。
 仏壇前のテーブルでお茶を飲みながら、柿田巡査が深い溜め息を吐く。

「…奥さん。アナタ、してやられましたね」 
「うう…スミマセン」
 平身低頭に謝る私を、彼は気の毒げに見つめる。

「警察手帳も確認せずに…
 そもそもアナタ、行森警部の奥さんでしょう?ソコに掛かってる制服と、何か違うとは思わなかったんですか?」

「ちょっとパニクってたもので…」
テへっと照れて、舌を出す。
 そう言えば何だか安っぽく、青がテカってる感じだったような……


「あれ?ところで柿田サン、ダンナ様をご存じで?」

 何気なく聞いただけだったが、途端に彼は、目を輝かせた。
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