探偵の彼に追跡されて…

数日経った昼間事務所に堤下兄弟と皐月が訪ねて来た。

「なんでお前らまで来るんだよ？」

俺は事務所の自分の部屋のソファーで横になっていた。

上の部屋にも戻らずずっとここで酒を飲んで居る。

まるでこの世の終わりを待つ様に酒だけを浴びる様に飲んで居た。

机の上だけでは無く床にもビールや酎ハイの缶や瓶が転がっている。

「沙汰郎！！あんた何考えてるの！？」皐月の怒鳴る声が頭に響く。

いつも百瀬君と呼ぶ皐月が呼び捨てにするんだからそうとう機嫌が悪い事は分かるがそんな事知ったこっちゃない。

「うるせー何しに来た？」

「百瀬さん？やっと優子が話してくれました」

「で？美野里が俺に愛想を尽かした理由はなんだって？」

俺は美野里が居ない今、この世がどうなってもいい。
だから何を聞いても驚かないし、どうでも良い。

「沙汰郎！あんた美野里ちゃん以外の女と結婚するって本当なの！！」

「ナニわけの分かんない事言ってるんだよ？そんな冗談を言いに来るほど警察は暇なのかよ？」

「優子が言ったんです。美野里から聞いたって！聡美って人と結婚するって」

俺は聡美の名前を聞いてソファーから飛び起きた。

「どうして聡美の事を美野里が知ってるんだ！？」

「その女が美野里ちゃんに言ったらしいわよ！あんたと結婚するから早く別れろって！！」

「俺は彼女と結婚なんてしない！するつもりも無い！」

「じゃーどうして婚約するのよ！？」

「どうしてそれを…」

「美野里ちゃんがあんたと一条君が話しているのを聞いたのよ！」