探偵の彼に追跡されて…

美野里が聞いていた？

いつ？

あっ…航がここに来た時…

あの時、聞いていたのか？

「違う！違うんだ！」

「何が違うの！？分かるように話しなさい！事と次第によっては許さないからね！！」

「………」

その時、扉が開いて航が入って来た。

「だから言ったんだ俺は反対だってな！」

そして航は「しかし汚い部屋だな」っと顔を歪める。

「一条君、説明してよ！この馬鹿が美野里ちゃんをなぜ捨てたのか？」

「捨ててない！！」

「じゃ！どうしてこんな事になってるの！！」

皐月はバン!!と机を叩く。

「落ち着け皐月。まず話を聞こう？」と輝一が皐月を宥める。

「俺から話すよ」と航が話しだす。

「以前、沙汰郎には俺のクライアントで化粧品会社の情報漏洩を調べて貰った事がある。それはクライアントが開発した商品と類偽する商品を2度もライバル会社が先に発表した事を疑っての事だった」

「でも、同じ様な商品ってよくあるじゃない？化粧品なんか特に」皐月は女性ならではの返しをする。

「ああ。だがカラーもパッケージも全く同じ物だった」

「え？それは漏れてるわ！ってかライバル会社が悪意をもって盗んでるわ！」と皐月が断言する。

「ああ。その証拠を沙汰郎に集めてくれるように依頼した」

「ちょっと待って下さい！その仕事の事が今回の美野里の事とどう関係してるんですか？」と真一が聞く。

「その商品情報を盗んでいた会社の社長が沙汰郎のお袋さんの再婚相手で聡美さんはその娘さんだ」