探偵の彼に追跡されて…
玄関を入ると何だか懐かしい匂いがいた。

リビングへ続く廊下を進み途中キッチンに目をやりリビングルームへと入る。

「美野里疲れてないか?少し休んだ方がいい」

沙汰郎は私の手を引き寝室に入っていく。

寝室も私が居た時となにも変わっていない。

「何も変わってないだろ?」

変わっていないと言うよりベットは私がシーツを変えて出て行ったままのようだ。

「うん。変わってない。沙汰郎ここで寝てた?」

「いや、美野里が居ないと寂しくてな…事務所のソファーで寝てた…」

「もう… そんなんじゃ体の疲れ取れないのに」

「じゃ、今から一緒に3人で昼寝しよう?」

と、言って私達はベットに横になった。

このベットもカーテンも何もかも懐かしい。

そして沙汰郎の腕の中も…

「沙汰郎…」

「ん?」

「抱いてくれない?」

「疲れてないか?」

「うん…」

沙汰郎は微笑むと私のお腹に手を当てて

「赤ちゃん、少しの間ママをパパに貸してくれな?お前に負担かけない様にするから」

沙汰郎はお腹の赤ちゃんにチュッとキスをすると私にも優しいキスを落としてくれた。

そして沙汰郎は約束通り優しく優しく私を抱いてくれた。






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