探偵の彼に追跡されて…
私達は彼女が誰なのか突き止めなくてはいけない。
多分、優美堂化粧品の人間だと思うが…

花子さんは暫く歩くと通りに面したカフェに入った。

「ここでも誰かに合うんでしょうか?」

「どうかな?」

「腹減ったし、俺達もここで食べようか?」

結局花子さんはランチをしただけでその後タクシーを拾って優美堂化粧品の本社へ入った。

やはり花子さんは優美堂化粧品の人間で聞き込みによると専務秘書との事だった。

でも、専務秘書がどうして?

その日は花子さんが誰かを突き止める事で終わった。

事務所に戻ると私は自分の服に着替えをしメイクを落とし髪を一つに纏める。いつもと変わらない姿に。

「あれ? 美野里ちゃん着替えちゃったの? 似合ってたのに… 私のメイクじゃ気に入らなかった?」

幸子さんはガッカリしたように言う。

「あっ違うんです。気に入らないんじゃないんです。せっかく綺麗にして貰ったんですけど… ごめんなさい…」

私はなんと言っていいのか考えていると…

「ねぇ前から気になっていたんだけど、美野里ちゃんなにかあった? 短期間に2度も引っ越ししたり、服装も初めの頃に比べたら随分変わったよね? なんか自分の存在を消して誰かから隠れてる様な… 私で良かったら相談に乗るよ? 私は、美野里ちゃんの事を娘だと思ってるんだからね!」

幸子さんはいつもお母さんの様に気にかけてくれて居る。

だからこそ心配かけたくなくて話さなかった…

「実は3年前…」

私は無言電話の事や誰かが家に入った様な気がした事などを幸子さんに話した。

「えっ!! どうして黙っていたの!? なにかあってからでは遅いのよ! 所長には話してあるの?」

「すいません… 所長にも話していません。 でも、私の気のせいだったかもしれないし、今は無言電話も無いですから大丈夫ですよ。念の為に目立たないようにしてるだけですから。」

「そぅ… 何か少しでも気になる事があったら直ぐに言うのよ!」

「はい。有難うございます。」







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