探偵の彼に追跡されて…
尾行を初めて大手町から有楽町歩いてくると太郎さんは地下鉄の駅へ降りた。
地下へ降りると無線は届かない。

「渉、地下鉄降りたら連絡する。」

『了解!先に行きます。』

渉は太郎さんがいつも使ってるホテルへ向って貰った。

太郎さんは警戒しているのかチラッと周りを見て電車に乗り込んだ。それを見て俺達も後の車両に乗り込む。

俺達はドアの側に向き合うように立ち俺は太郎さんが乗った車両へ視線を向け誰かと接触しないか太郎さんに気付かれないように視線を向ける。

「所長? ここまでする必要ありますか?」

ん? ああこれ?
俺は左手で彼女の腰を抱き、右手で彼女の頬を撫でている。

「だってさ恋人同士だからね? この後も良い所行ってイイ事しなきゃいけないからさ? もし、俺達の尾行を疑って居たら太郎さんに魅せつけとかないとね怪しまれるでしょ? これも仕事だから逃げないでね」

普段こんな事をしたら、セクハラだ! パワハラだ! と美野里ちゃん怒るよね?
終いには一条に告訴する手続きを取るように電話するだろうな?

美野里ちゃんの行動が想像出来て可笑しくなる。

で、もって一条は喜んで手続きをしようとするだろうな。
あいつ普段すました顔をしてるくせにドSだからな…

「良い所? 良い事?」

「そう。イイ事をね!」

首を傾げる美野里ちゃんの耳元で囁くと美野里ちゃんは顔を赤く染める。

可愛いな。
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