探偵の彼に追跡されて…
第二章 ストーカー
夕方【WSHI法律事務所】の一条さんが見えた。

所長と一条さんは高校、大学と同じで、学部は違うが1番仲が良くいつも一緒に居たらしい。

いつだったか、

『あの頃は楽しかったよな? よくもまああれだけの事やって捕まらなかったと思うよ』

『ホントお前の悪戯は度が過ぎてたからな?』

『よく言うよ。お前だろ? いつもすました顔して大人を馬鹿にしてたのは? まぁそのお陰で俺達前科がついてない訳だけどな!』

私は何をしたのか興味はあったが、聞かない方が良いと思い聞き流していた。

女の人を騙すような事をしていたかもしれないし…

だってこんなイケメンふたり居れば相当目立つしモテただろう。

所長は目元は二重でぱっちりして笑窪があって甘いマスク、一方の一条さんはスタイリッシュな眼鏡の奥の瞳は鋭く威厳が漂うイケメン。初めて会った時は私も思わず後ずさりした。
そんな一条さんだが歳の離れた奥さんと2歳の女の子を溺愛して居るパパなのだ。

一条さんは所長の部屋に入る時、「美野里ちゃんのコーヒー飲みたいな」と言ってニッコリ笑って所長の部屋に入って行った。

威圧感あるお方が微笑むなんてギャップあり過ぎ!
一条さんその笑顔反則ですよ!
妻子有る方に惚れたりはしませんけどね。

「美野里ちゃん、悪いけど請求書持って来てくれる?」

所長は部屋から顔を出し言う。

「はーい。コーヒーと一緒にお持ちします。」

一条さんはコーヒーメーカーで淹れたコーヒーはあまり好まない。だから私は一条さんがみえると豆を挽きやかんでお湯を沸かしドリップをして淹れる。

私もコーヒーが好きだから一条さんの気持ちが分かる。
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