探偵の彼に追跡されて…
コーヒーを持って所長の部屋の扉をノックしようとしたら所長と一条さんの話が聞こえた。
「沙汰郎。奥さん元気か? 最近会ってないけど子供達も大きくなっただろ?」
「ああ、俺もなかなか会いに行けないけど元気みたいだ。智はこの春小学校に上がるからランドセルを買ってくれって電話が合ったよ」
「そうか、もう智も小学校か? 他所の子は早いな?」
トントン。ドアをノックして部屋に入る。
「失礼します。 一条さんはブラックでしたよね?」
私は部屋に入りコーヒーをテーブルに置く。
「うん。ありがとう。いい香りだ。美野里ちゃんのコーヒーをいつも楽しみにして来るんだよ」
一条さんは喜んでコーヒーを飲んでくれる。
「航が来た時だけ美野里ちゃんのドリップコーヒーが飲めるんだよな… それも良い豆をわざわざ挽いて。 いつもはコーヒーメーカーで入れたコーヒーなんだぞ! どうせならいつもドリップしてくれればいいのに…」
所長はちょっと拗ねたように言う。
「何言ってるんですか? お高いコーヒーメーカーを買って来て『これなら安い豆でも美味しいコーヒーが飲めるんだぞ』って言ってたじゃないですか? それに所長は砂糖もミルクもたっぷり入れるから何でも良いんじゃないんですか?」
「えー美野里ちゃんの愛情のたっぷり入ったコーヒーがいつも飲みたいよ!」
「愛情がたっぷり入ったコーヒーが飲みたいなら奥さんに頼んで下さい。」
「奥さん?…」
所長がなにか言いかけたが、私は早くその場を離れたかった。
「はい。請求書です。お高いブランドのワンピース代は載せてませんよ! 所長が値段を教えてくれなかったので! ご自分で請求して下さい。失礼します。」
私が部屋を出る時、所長を問い詰める一条さんの声と狼狽える所長の声が聞こえた。
「おい!なんの話だ! お高いブランドのワンピースとか? そんなの聞いてないぞ!?」
「いや…ちょっと…それは美野里ちゃーん……」
だってしょうが無いじゃない。いくら所長にワンピースの値段を聞いても教えてくれないんだもん!
『適当に付けといて』って言われてもブランドのワンピースなんて買った事ないから検討も付かないし、幸子さんに聞いても、『あれ相当高いわよ!』って笑ってるだけだったし…
だから所長が自分で請求するしかないでしょ!
私はしーらない!…
「沙汰郎。奥さん元気か? 最近会ってないけど子供達も大きくなっただろ?」
「ああ、俺もなかなか会いに行けないけど元気みたいだ。智はこの春小学校に上がるからランドセルを買ってくれって電話が合ったよ」
「そうか、もう智も小学校か? 他所の子は早いな?」
トントン。ドアをノックして部屋に入る。
「失礼します。 一条さんはブラックでしたよね?」
私は部屋に入りコーヒーをテーブルに置く。
「うん。ありがとう。いい香りだ。美野里ちゃんのコーヒーをいつも楽しみにして来るんだよ」
一条さんは喜んでコーヒーを飲んでくれる。
「航が来た時だけ美野里ちゃんのドリップコーヒーが飲めるんだよな… それも良い豆をわざわざ挽いて。 いつもはコーヒーメーカーで入れたコーヒーなんだぞ! どうせならいつもドリップしてくれればいいのに…」
所長はちょっと拗ねたように言う。
「何言ってるんですか? お高いコーヒーメーカーを買って来て『これなら安い豆でも美味しいコーヒーが飲めるんだぞ』って言ってたじゃないですか? それに所長は砂糖もミルクもたっぷり入れるから何でも良いんじゃないんですか?」
「えー美野里ちゃんの愛情のたっぷり入ったコーヒーがいつも飲みたいよ!」
「愛情がたっぷり入ったコーヒーが飲みたいなら奥さんに頼んで下さい。」
「奥さん?…」
所長がなにか言いかけたが、私は早くその場を離れたかった。
「はい。請求書です。お高いブランドのワンピース代は載せてませんよ! 所長が値段を教えてくれなかったので! ご自分で請求して下さい。失礼します。」
私が部屋を出る時、所長を問い詰める一条さんの声と狼狽える所長の声が聞こえた。
「おい!なんの話だ! お高いブランドのワンピースとか? そんなの聞いてないぞ!?」
「いや…ちょっと…それは美野里ちゃーん……」
だってしょうが無いじゃない。いくら所長にワンピースの値段を聞いても教えてくれないんだもん!
『適当に付けといて』って言われてもブランドのワンピースなんて買った事ないから検討も付かないし、幸子さんに聞いても、『あれ相当高いわよ!』って笑ってるだけだったし…
だから所長が自分で請求するしかないでしょ!
私はしーらない!…