探偵の彼に追跡されて…
「分かりました…着替えます。」

私はショップバックを持って着替える為に衣装部屋へ向かう。

衣装部屋とは10帖程の部屋に変装する為の色々なジャンルの衣装が置いてある。

白衣やナース衣装は病院に潜入する為?幸子さんも潜入したりしたのかな?

他にも鳶服、ダボダボニッカボッカズボンやお坊さんの袈裟まである。でもここに有る衣装を誰かが使った所を私は見た事はない。

部屋の真ん中に敷かれている2畳分の畳の上へ靴を脱いで上がりショップバックの中から洋服をとりだす。

中に入っていた洋服はボディラインの出る肩の大きく開いたオフホワイトのミニのワンピース。

何これ? いくら何でも短すぎるでしょ…

171cmある私にはなお短くなる。

こんな短いシートパンツも履いた事ないのにましてやこんなにはっきりボディラインが出るワンピースなんて恥ずかしすぎる。


無理! 絶対に無理!!


着てみたものの部屋を出ていけない。

私は衣装部屋の扉を少し開け顔だけ出すと

「あの…やっぱり無理です。サイズが合いません…幸子さんならサイズ合うと思いますよ?」

幸子さんは確か160cm無かった筈。今日は幸子さんに変わって貰おう。

「え? どれどれサイズが合わないって…」

幸子さんは衣装部屋まで来ると目を輝かせて

「あら素敵じゃない! 美野里ちゃん背も高くてスタイル良いから似合うわ! まるでモデルさん見たい。後はメイクね?」

「えー幸子さん変わって下さいよ?」

「何言ってるの! お婆ちゃんがそんなミニ着てたらかえって目立つでしょ!?」

幸子さんはモジモジしている私を早くいらっしゃい! と私の手を引いて椅子に座らせる。

幸子さんはホットカーラーを私の髪に巻き付け温めている間に日焼け止めだけでほぼスッピンの私にメイクをしてくれる。そして30分後…

「美野里ちゃんは素が良いからナチュラルメイクも良いけどちょっと今日は明るい色を使うわね。はい! 出来上がり」

鏡に映る私はまるで別人…

「おっすげぇー綺麗じゃん! 所長? 俺が美野里さんと太郎さんに行きます!」

いつの間にか居たもう1人の所員で調査員の犬飼渉(イヌカイワタル)彼は私より2つ年下の26歳。彼の仕事は情報収集がメインである。

「ダーメ! 美野里ちゃんとデートするのは俺なの」

と所長はニッっと笑う。







< 7 / 152 >

この作品をシェア

pagetop