探偵の彼に追跡されて…
簡単に動きを説明され不安ながらもレインボーパープルを演じレインボーレンジャーの寸劇ショーをなんとかやり遂げた。
ぎこち無い私のレインボーパープルにも子ども達は喜んでくれて寸劇ショーが終ると「レインボーパープル格好良かったよ!」と駆け寄って来てくれた。

子ども達の笑顔を見てると私までも嬉しくなって目が潤んできてしまう。

「皆んなありがとう!」

着替えを済ませると今度は子ども達が私達にお礼と所長の誕生日のお祝いの劇が始まった。

高校生や中学生の子達が演出構成まで全て考え準備したらしいオリジナル劇。

小さな子ども達、まだ歩く事も出来ない赤ちゃんまで、おぶってもらったり、抱っこしてもらったりして全員で参加しての劇。

皆んなそれぞれの理由で親と別れてここに居るのだろうが、一切寂しそうな顔も見せずに皆んなが、力を合わせてひとつの物を作り上げていく。

なんて素敵な家族だろう…
こんなにキラキラした子ども達の笑顔が見れるなんて幸せ。
私、参加出来て良かった。

感動で溢れる涙を拭っていると隣りに居た所長が「どうした?」と顔を覗き込んできた。

「所長… 私、感動しちゃって… 皆んな凄く楽しそうなんですもの」

「うん。そうだね?」

「私、参加出来て良かったです。連れて来てくれて有難うございます」

所長はにっこり微笑むと「そうか?良かった」と私の肩を引き寄せ「美野里がこんなに感動してくれて俺も嬉しいよ」

劇が終わると皆んなでハッピーバースデーの歌を歌って子ども達と一緒にケーキをご馳走になった。

今日食べたケーキの味は一生忘れないと思う。





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