探偵の彼に追跡されて…
玄関ロビーには沢山のお年寄りが出迎えをしてくれていた。

「「おかえりなさい沙汰郎君」」

「ただいま!皆んな元気だった? 喜久恵さん膝の調子はどう?無理しないでね。 秀じぃ腰はどう? 重たいも持っちゃダメだよ。 静枝さん曾孫が生まれたんだって?おめでとう。」

所長は出迎えてくれた一人ひとりに声を掛けていた。

どうしてかな? 皆んなお揃いの白いシャツに黒いズボンを履いてる。
このホームには決まった制服でもあるの?

そのお年寄りの中からホームには入るには若すぎる品の良い男性が歩み出て来た。

「社長、お疲れ様です。」

「奥さん、どう? 仕事は慣れた?」

え?この人も奥さん?

「はい。まだまだ間に合いませんが真司に助けてもらいながらなんとかやっております。」

「美野里、こちらも俺の奥さん!」所長はニッと笑って紹介してくれる。

もぅその俺のって言うのやめてよね!? 紛らわしい。

「真司の親父さんだよ。」

え?真司さんってさっき会った秘書の? あぁそう言われたら似てるかも?

「奥さん、こちら婚約者の雉馬美野里さん。」

「所長!だから婚約者って…」

「え?そうじゃん!今日来るときにさぁ美野里ちゃん俺の体…」

「所長その話はもう結構です!場所をわきまえて下さい!」




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