【完】音にならない“好き”をキミだけに。
「ありがとう。お世辞でも嬉しい」
お世辞じゃなくて、本心なんだけどな。
「次はどこで撮る?」
「外廊下!」
それから30分くらい学校の中で写真を撮って、教室に戻ってきた。
「ここで最後だね〜」
「なぁ、佐倉」
もう、聞いていい?
気のせいだと思っていた佐倉のいつもと違う態度。
気のせいじゃないと気付いたのは、本当にさっきなんだけど……。
「今日で最後ってなに?」
「っ」
明らかに、ビクッと揺れた肩を俺は見逃さなかった。
教室に入る前、本当に小さい声で佐倉が言った言葉の真意を尋ねる。
「最近の佐倉、様子おかしいよね?」
「普通だよ。早く写真撮ろ!」
「じゃあ、なんで昨日泣いたの?学校休んでた理由は?」
「……加賀谷くんには関係ないことだよ」
関係あるとか、ないとか。
そういうことじゃないんだよ。
「ちゃんと、話しようよ」
「なにを?話すことないよ」
……なんで、そんな悲しそうな顔するんだよ。