【完】音にならない“好き”をキミだけに。





宿泊研修、当日。


他のクラスは合唱をしたりクイズをしたりしている中、俺たちのクラスは他己紹介。


今更、こんなのでいいのかと不安になってきた。


「…加賀谷くん、わたし達大丈夫だよね?」


不安になってるのは俺だけじゃなかったみたいだ。


「大丈夫。だって、出し物の定義なんて誰も決めてないし、うん。大丈夫だよ」

佐倉を励ますつもりが、ちょっと失敗。


最後は自分に言い聞かせるような形になってしまった。


「そうだよね。大丈夫だよね。
ありがとう、加賀谷くん」

「うん」

俺の方こそ、ありがとう。


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