【完】音にならない“好き”をキミだけに。
始まった、他己紹介は予想以上に盛り上がった。
ただ単に紹介するだけじゃなくて、所々にクイズとかも入れてて、盛り上がったと思う。
「じゃあ、最後は実行委員の他己紹介です」
「え?」
ちょっと待って、俺そんなの聞いてないんだけど。
「先に真白からする?」
司会をしてる男子に言われた。
そういうことは先に言ってもらわないと…。
確かに俺と佐倉は準備もあったから、他己紹介をするメンバーには入っていなかった。
だけど、考えてくれたんだろうな。
「わ、わかった…」
何を言えばいいんだ。
「えっと…、佐倉楓生さんです」
誕生日も好きな食べ物も、何も知らないけど
「佐倉さんは自分のことより人のことを考えられる素敵な人です」
これは俺が佐倉と一緒に実行委員をして気付いたことだ。