【完】音にならない“好き”をキミだけに。
「実行委員になれて嬉しいわたしと反対に、嫌なオーラが全開だったので…。不安でした。だけど、1番頑張ってくれたのは加賀谷くんだと思います」
“1番”なんて、誰がどう見たって佐倉なのに。
「わたしが人前で話すことが苦手って言ってないのに気付いてくれて、気付いたら次からは加賀谷くんが言ってくれるようになりました。優しくて、嫌だと思いながらも一生懸命働いてくれた加賀谷くんと一緒に実行委員をすることが出来てよかったです。ありがとうございました」
俺の目をしっかりと見て、言った佐倉に
恋に落ちないなんて無理だった———
俺のことをあんな風に言ってくれる人がいることに感動して、嬉しかった。
自分なりに頑張ったことを認めてもらえて嬉しかった。
そしてなにより、佐倉にそう思われたことが嬉しかったんだ。