【完】音にならない“好き”をキミだけに。


俺を含め、佐倉と仲良くなる機会を狙っている男達はその辺にたくさんいる。


「加賀谷、ちょっといいか?」

「…何ですか」


ちょうど昼食を食べ終わった俺の元にやって来たのは、担任。


嫌な予感しかしないんですけど。


「お前、昨日提出の課題出してなかったよな?」

「……まぁ、はい。そうですね」

「罰として放課後雑用頼むな。明日の授業で使う資料をまとめてくれ。授業終わったら職員室に来てな。よろしく」


『よろしく』じゃないんだよ。


なんで俺ばっかり雑用押し付けられないといけないわけ。


課題出してないやつなんて他にも沢山いるだろうに。

担任、俺のこと大好きかよ……。


「頑張れよ、真白!」


目の前に座っているこの男も、多分出していなかったはず。


「うざい」

「どーんまい」

ねぇ、帰っていいですか。



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