【完】音にならない“好き”をキミだけに。


「……っ」

視界が滲んだことに気付かないフリをした。


昼ごはんはやっぱり敦弥と一緒に食べよう。

じゃないと、俺の心が持たないです。


そんな気持ちのまま空き教室から出て、教室に戻る。


その途中、廊下で話してる佐倉の姿を見つけた。


その隣には、名前こそ知らないが男子生徒が。

確か隣のクラスだった気がする……。


——佐倉が笑ってる


嬉しいことなのに悲しかった。


俺は佐倉を笑顔に出来なくて、泣かせてばっかりだったのに。


簡単に佐倉を笑顔にできるあんたが羨ましい。


< 129 / 235 >

この作品をシェア

pagetop