【完】音にならない“好き”をキミだけに。
そういうのに頼るわけじゃないけど、別れないというのなら頼みますよ。
俺、佐倉と別れたくないんでね。
「後夜祭、楽しみだね」
「うん」
あぁ、文化祭とかどうでもいいから早く後夜祭にならないかな。
後夜祭まであと7時間。
……長すぎ。
佐倉が係の時、自分のクラスにずっと客としていようかな。
なんてそんなこと、敦弥が許してくれないと思うけど。
準備の時間、佐倉のところに行くことを許した敦弥の条件はこうだった。
『俺の好きな人後輩じゃん?だからさ、手伝って』
『は?意味わかんないんだけど』
『そのままの意味!後夜祭誘うから、教室までついてきて』
『1人で行けよ……』
なにが楽しくて、敦弥の恋のキューピットにならなきゃいけないんだ。