【完】音にならない“好き”をキミだけに。


今更出来ないことの想像をしても意味がない。


だけど、嫌だった。

俺以外が佐倉の隣にいることが当たり前になることが。


誰かに笑いかけるんだと思えば、胸がギュッと傷んだ。


でも、その痛みの理由を彼女に伝える事はもう許されなくて、ひとりでバカみたいにこの嫉妬を抱えなくちゃいけない。


悲しいのか、悔しいのか、苦しいのか。


今、俺が思う気持ちは何なのか分からないけど、とりあえず俺は2人から目を逸らした。






「加賀谷くん、そろそろ授業戻りなさいよ」

結局、俺は心が病という謎の理由で保健室で休んでいた。


先生もサボりだと分かっているが、俺の顔が相当酷かったのか何なのか分からないが、休ませてくれた。

1時間休むと、教室に帰れと声をかけられてしまう。


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