【完】音にならない“好き”をキミだけに。


「先生、あと1時間」

「ダメよ。体調悪い人が来るかもしれないでしょ」

「俺も一応体調不良なんだけど」

「あなたはいいの」


まぁ、実際にサボってるのは本当のことだから何も言い返せれない。


「心に穴空いた…」

「失恋?」

「ストレートに聞くんだね」

「恋バナ、先生大好きよ」

「俺、好きだったんです。彼女のこと、大好きだった…。でも、その気持ちを自分なりに伝えてるつもりだった。だけど、彼女に俺の気持ちが分からないって振られちゃった」


どうするのが正解だったと思う?

俺は、俺なりの方法で精一杯、佐倉に“好き”と伝えてたつもり。


「別れたくなかった。サヨナラなんて嫌だったのに、泣いてる彼女を見たら別れないといけないのかなって思って、気が付いたら別れてた。バカだよね…」


本当にバカな、俺。


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