【完】音にならない“好き”をキミだけに。
先生は佐倉がいるベッドの方に行き、代わりにベッドがある部屋から出てきたのは真壁。
「サボり?」
「まぁ、そんなところ…」
「体調悪くないなら、楓生のこと家まで送って行きなさいよ」
……まーちゃん、アホ?
そんなの無理。
俺がよくても佐倉が『嫌だ』って言うに決まってる。
「寝てるんだから、おんぶでもして連れて帰りなよ。家知ってるでしょ?」
「いや、俺がそんなことして帰るよりも親に車で迎えに来てもらった方がいいでしょ」
「…それが無理だから言ってんのよ。
先生、加賀谷が送ってくれるって!」
ちょっと今のどういう意味?
そう聞きたかったのに、真壁はまた奥の部屋へと戻っていってしまった。
それから少し経って、先生と真壁が2人部屋から出てきた。