【完】音にならない“好き”をキミだけに。
俺に見せつけるため?
それとも、俺を精神的に殺そうとしてる?
もう、ライフポイント10くらいなんですけど。
倒れる寸前。
ボーッと話している佐倉達を見ていると、佐倉と真壁と目が合った気がした。
気のせいだと思うようにして、机にうつぶせた。
「…加賀谷くん」
声を聞いただけで、誰が俺を読んだのか分かるし、それだけでドキッとする。
「なに?」
動揺しているのがバレないように、冷たく返事をしたことに後悔した。
交わらなかった視線が、交わる。
泣きそうになる自分を心の中で笑った。