【完】音にならない“好き”をキミだけに。
「泣きそう…」
もう、やめたい。
けど、やめたくない。
ひどい矛盾だな……。
*
「おーい、真白くーん。生きてますか?」
「死んでます」
「はい、生きてますね。試合、行くぞ」
「やだ」
「お前は子供か」
5時間目。
弁当を食べたすぐで、体育なんか出来るか。
しかもバレーなんてさ、嫌です。
腕痛くなるし、現役バレー部のアタック受けたら俺、本当に死ぬかも。
「短い命でした」
「はいはい」
敦弥まで冷たくて、なんかもう泣きそう。
試合したくないと渋る俺の腕を引っ張ってコートに無理やり連れていく敦弥。
こけようかな。足痛くてバレー出来ません。
なんて、許されないか。