【完】音にならない“好き”をキミだけに。


「泣かせてごめん。うざいし、キモいと思われてると思うけど…好きでいさせて」


佐倉の泣いてる理由は俺には分からないけど、その理由を分かりたいと思うよ。







「失礼します」


保健室に連れてきたのはいいが、先生はいなかった。


「ベッドでいい?」

「ソファーで大丈夫です」

「分かった」

少し大きめのソファーの上に佐倉を降ろして、逃げないよう手を握る。


佐倉はもう泣いてはいなかった。


「どうして…?」

「え、」

「分かんないよ…。なんで?好きって気持ち無くなるかもしれないのに、加賀谷くんはそんなふうに……」

「無くならないよ」

佐倉の言葉を遮るように、俺は言葉を発した。


「これから先のことなんて分からないじゃん。もしかしたら、わたしより好きな人が出来るかもしれないのに…」

「そんな日、来ないと思う」

だって俺、佐倉しか興味無いから。


「って、分からないから佐倉は言ってるんだよね。でも、本当に俺、想像出来ないんだよ。自分が佐倉のこと好きじゃなくなる日」


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