【完】音にならない“好き”をキミだけに。
008*手紙を書いて伝えます。
#1
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佐倉と別れて、2週間。
保健室で自分の気持ちを伝えて2週間。
佐倉と話さなくなって2週間が経った。
「…避けられてるのか」
「うん」
「否定してよ」
「いや、無理でしょ。佐倉、真白のことガン無視じゃん」
4時間目が始まる前の休憩時間、独り言として放った俺の言葉を敦弥はバッチリ聞き取った。
「まぁ、予想はしてたけどね。避けられるのかなって…。当たりすぎて泣きそう」
「ストレートに気持ち伝えてもダメって、どんな感じ?」
「お前、バカにしてんの?」
「だって、信じられねーんだもん。真白と佐倉が別れたの。別れた理由を聞いたら、佐倉になんかあったとしか考えられないよね」
何があったんだろうな。
「佐倉に何かあって、それが関係しているのかもしれない。でも、結局俺はちゃんと佐倉に分かるように、信じてもらえるように“好きって気持ち”を伝えられてなかったんだよ。だから、俺のせい」