【完】音にならない“好き”をキミだけに。




「真白先輩!」

「あれ、紫乃ちゃんだ」

昼休み、弁当を食べ終わってジュースを買いに購買へ一人で来た俺の名前を呼んだのは柴乃ちゃん。

久しぶりに柴乃ちゃんに会った気がするけど、頻繁に敦弥から話を聞いてるせいかあんまり久しぶりな感じがしない。


紫乃ちゃんは敦弥と付き合ってから、俺のことを“真白先輩”と呼ぶようになった。

敦弥には申し訳ないけど、ちょっと可愛いって思ってしまう。

あ、もちろん佐倉の可愛さには及ばないんだけどね。


「お久しぶりです」

「久しぶり。元気だった?」

「とっても元気でした!」

「知ってる。敦弥からよく聞いてるから」

紫乃ちゃんは恥ずかしそうに笑った。


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