【完】音にならない“好き”をキミだけに。
*
俺が佐倉を外廊下で見たあの日以来、俺は佐倉を見ていない。
…佐倉が学校に来なくなって今日で1週間になる。
「真壁、お願いします。佐倉がどこにいるのか教えて…」
佐倉に連絡が取れない今、俺の頼みは目の前にいる真壁だけ。
放課後、話をするために真壁に教室に残るよう頼んでいた。
「加賀谷にだけは言うなって楓生に言われてる。でも…、」
「…でも?」
「楓生にはあんたが必要なんだよ」
「っ」
「楓生のこと傷つけたら、許さないから」
そう言われて、俺が真壁に教えてもらって来たのは
「…なんでっ」
大きな病院だった。