【完】音にならない“好き”をキミだけに。
009*交わした想い。

#1



#1:佐倉Side


辛かった。悲しかった。


大好きな君のことを、心から信じられなくなって。

信じたいと思うのに、信じることが出来ない。

そんな自分が嫌で、加賀谷くんに別れを告げた。





高校2年生の夏頃から、お父さんとお母さんはよく喧嘩するようになった。


自分の部屋にこもっていても、リビングから聞こえてくる2人の声。それを聞く度に悲しくなった。


だって、昔は2人ともお互いのことが大好きなのがわたしにも伝わってくるほど思いあってたから。


なのに、最近は全く。


会えば喧嘩してるような状況。


家に帰りたくなくて、ずっと学校にいたい。

学校に行けば、まーちゃんがいる。それに、大好きな加賀谷くんだっている。


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