【完】音にならない“好き”をキミだけに。





わたしは、学校をしばらく休んで、病院で治療することになった。


お母さんは毎日病室に来てくれて、お父さんもたまに来てくれる。


最近は、喧嘩することも減ったみたいで嬉しい。

「楓生、これ」

お母さんがわたしに手渡してくれたのは、4つ折りにされたルーズリーフ。


「何これ?」

「見たら分かるから」

……何だろう。


ルーズリーフを開いて、わたしの目に写ったのは


『佐倉へ』

少し汚い字で書かれている文字。


汚いけど、見たことある字で…っ。



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