【完】音にならない“好き”をキミだけに。
「……っ」
バカだ。加賀谷くんは、バカだよ。
でも、一番のバカはわたしだ。
加賀谷くんの気持ちを一瞬でも疑った自分が恥ずかしい。
加賀谷くんは、伝えてくれてたのに。
「会いたい…会いたいに決まってるよ…っ」
ずっと、ずっと、会いたいって思ってたよ。
加賀谷くんが思う気持ちよりも、わたしがそう思っていた気持ちの方が絶対強いから。
泣いているわたしの肩を、お母さんは微笑みながら優しく撫でてくれた。