【完】音にならない“好き”をキミだけに。


「あ!真壁、え、ちょっ……!」


教室に真壁が入ってくるのが見えたから、名前を呼んだら鬼の形相をして俺の方へ突っ込んできた。

な、なんで!?


ここは「よかったね」って笑顔見せてくれるところじゃないの!?


「あんたね!分かってる?今度、楓生のこと泣かしたらぶっ殺すからね」

「うん、分かってる。ありがとう」


俺が1番お礼を言わないといけないのは、真壁だ。いつも、心配してくれてて、佐倉ともう1度付き合えたのだって真壁がいてくれたから。

何回言っても足りないだろうけど、ありがとう。


良ければ、もう少し俺に対して優しくなってくれるとさらに嬉しいです。


「なんで楓生は、こんな奴とまた付き合おうなんて思ったのかな……。世界中に男があんたしか居なくても、わたしは付き合おうとは思わないわ」

「聞こえてるから。さすがの俺でも傷つく!」

真壁は俺のことなんだと思ってんの!?


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