【完】音にならない“好き”をキミだけに。


教室の前まで来て、佐倉は1度立ち止まった。


「…あの、手をギュッと握ってほしいです」


何日も学校を休んでいたら、そりゃあ誰だって教室に入りにくくなるよな。


手を握ることで、佐倉に勇気を送れるならずっと握ってるよ。


小さく震える佐倉の手を強く強く握りしめた。



「佐倉!!おはよう」

教室に入って、すぐ気付いたのは敦弥。


大きな声を出すから、教室にいたクラスメイトみんなの視線が佐倉に集中的に集まる。


< 188 / 235 >

この作品をシェア

pagetop